発達性協調運動障害
協調運動、をご存知でしょうか。
ざっくり言うと、一つの運動の中に複数の動きが含まれている運動のことです。
言葉だけで見ると、何が何だかわかりませんね。
協調運動の例としてよく挙げられるのは、「縄跳び」や「跳び箱」です。
縄跳びは、縄を跳ぶ運動の中に、縄を掴む、縄を回す、回した縄に合わせて跳ぶ、などの複数の動きが合わさった運動です。
跳び箱で言うと、走る。踏み切る。跳びながら跳び箱に手をつく。その際に足を開く。協調運動の塊ですね。
発達性協調運動障害を持つ人や子ども達にとっては、上記の協調運動はとても難しいです。
また、これは、発達障害を抱える人たちに多く見られるものでもあります。
協調運動の苦手は、感覚統合がうまくなされないことが原因の一つとして挙げられます。
感覚統合とは、複数の感覚の情報を整理する脳の機能のことです。
例えば、縄跳びだと、縄を掴むこと、これは一つの動きとしてできますが、縄を掴みながら、回す、さらに跳ぶという動きが足されると、感覚が上手に整理されず、掴んだ縄を回し始めた途端に、放してしまうということになるのです。
しかし、決して改善されないわけではありません。
簡単な協調運動を繰り返し行っていくことで、感覚統合がなされ、少しずつできるようになっていきます。
例えば、ボールを自分で投げて捕る、というのも協調運動です。
これは、投げる、捕る、という動きと、目でボールを追いかける眼球運動が必要とされます。
このような簡単な協調運動の積み重ねが非常に幼児期の発達にとって大切です。
どうしても苦手なものに対しては、取り組むことに難しさを感じます。
支援者は、正しい知識を持ち、適切なアプローチ方法、言葉かけを用いて支援することを心がけることがよいでしょう。