『吃音症』というものをご存知でしょうか?
読み方は「きつおん」と言います。
吃音(Stuttering)とは、一般的には「どもる」ともいわれる話し方の障害です。
日本の推定患者数は約1%、小児を合わせると約70万人と言われています。
なめらかに話すことが年齢や言語能力に比して不相応に困難な状態であり、下に示すような特徴的な症状(中核症状)の一つ以上があるものをいいます。
(1) 反復(単音や単語の一部を繰り返す)(例:「き、き、き、きのう」)
(2) 引き伸ばし(単語の一部を長くのばす)(例:「きーーのうね」)
(3) ブロック(単語の出始めなどでつまる)(例:「・・・・・っきのう」)
(出典:発達障害情報・支援センター HPより)
この症状は、幼児期に出始めることが多いものの、発症から約4年で自然回復する場合が多い。しかし、8歳ごろまで症状が顕在する場合は思春期まで残る場合があると言われています。
吃音症と疑われる場合、言語聴覚士(ST)が治療を進めていきます。そのため、吃音の治療を進めている言語聴覚士がいる耳鼻咽喉科などでまず診断を進めていきます。神経内科、精神科、心療内科などでも吃音症の知識のある医師の場合でも可能なようです。
吃音症は、原因が精神的要因とも遺伝的要因とも、科学的に解明が進められていますが、決定的な原因はわかっていません。
海外では、アメリカ、ニュージーランド、ドイツでは、法的に障害という認定を受けることができ、国のサポートを受けることができます。
また、その理解があるということです。
日本では、症状という形で認識されていますが、正しい認知はあまりされておらず、差別的に見る人たちも少なくありません。
そのため、吃音症を持つ人たちは、さらに自己肯定感が下がり、人前で話すことに苦手意識を持つようになってしまうのです。
症例に対する、正しい知識、理解を行うことが、吃音症当事者の人たちへのサポートの第一歩ではないでしょうか?