前回のブログでは、腸が荒れると重金属や化学物質等、脳にダメージを与える有害物質の侵入を許してしまうというお話をしました。
今回のブログでは、その腸壁を荒らす原因因子をいくつか紹介して行こうと思います。
【乳製品(カゼイン)と小麦製品(グルテン)の危ない誘惑】
「カゼインフリー」「グルテンフリー」という動きが、世界的に大きな流れを作り始めています。
数年前、男子テニスの元世界ランキング1位だったジョコビッチ選手が書いた(食事による体質改善)の本が、世界中から注目を集めましたので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
乳製品と小麦製品は、大変多くの場面で食卓に登場し、「美味しい」要素を兼ね備えているので、必要以上に食べ過ぎてしまう恐れがあります。
しかし、この2つのタンパク質(カゼインとグルテン)は、体内でイタズラをする為、眠くなったり、同じ食品を食べ続けたりする行動が現れることがあるとのこと。自閉症や多動症の子どもには、このタンパク質を分解する酵素が不足していると言われています。その為、より影響が出やすくなる危険性が指摘されています。
歴史的に見ても、牛乳やパン等は戦後からの食習慣で、それまで何千年と培われて来た日本人のDNAからしても、乳製品や小麦製品は体質的に受け付けにくい側面がある様です…パンと牛乳とヨーグルトではなく、お米とみそ汁と漬物という食文化。
しかし、食に関する改善は、「出来ることから少しずつ」が基本です。
身体に良くないからということで、今まで好きだったものをいきなり全てシャットアウトしてしまっては、人生の大きな楽しみを奪うことになりかねませんし、あまり神経質になると、逆にそのことがストレスになってしまう場合もあります。例えば「牛乳は豆乳に」「小麦粉は米粉に」置き換える等、工夫を凝らして、美味しく楽しく少しずつ出来る範囲で改善して行くのが良いと思います。
【清潔志向の落とし穴】
結核や寄生虫が激減した1960年代から70年代頃から、花粉症やアトピー、喘息等のアレルギー性疾患が急増しました。この時代は、食品添加物や防腐剤、抗生物質等が日常生活の中に多量に入り込んできた時期でもあります。これらのアレルギーは少し見方を変えると、「清潔志向社会が生み出した現代病」と言えるのかもしれません。昔から人類は、外敵や「ばい菌」と共存する中で、自らの力で身を守る術(免疫力・自然治癒力)を身に付けて来ました。しかし、あらゆる「ばい菌」を生活の中から追い出すことで、人類は急速に免疫力や菌に対する耐性を失って来たとも言えます。
腸内環境も「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」がバランス良く共存することで、健全な働きが保たれています。赤ちゃんが何でも口に入れたり舐めたりするのも、色々な「ばい菌」を体内に取り込むことで自らの免疫力を高めていると言われています。
最近は除菌・殺菌・抗菌ブームで、様々な化学物質が大活躍していますが、菌の中には身体を守ってくれる菌やアレルギーを抑えてくれる菌もいますが、それらの菌まで含めて何から何まで排除する今の風潮に疑問を感じています。清潔志向における化学物質ということ考えると、芳香剤や洗濯で使う柔軟剤、制汗スプレー等が脳により近い臭覚を刺激している点も、要注意だと思われます。
